商工組合中央金庫（商工中金）が31日発表した３月の中小企業月次景況観測によると、中小企業全産業の 景況判断指数は前月比で3.5ポイント上昇し、45.8となった。製造業で中国を中心としたアジア向け輸出が回復し、 売上高も増えているため、３カ月連続の改善となった。「好転」と「悪化」の分岐点である「50」は36カ月連続で下回った。 　業種別では製造業が47.9と前月比で3.7ポイント改善した。海外向け輸出に加え、「エコカー減税」やエコ家電購入 促進策の「エコポイント」といった政策効果もプラスに寄与しているという。非製造業も3.4ポイント上昇し44.1となった。 ただ、値下げ競争が続くスーパーやホームセンターといった「小売」の分野では業績下押しの懸念も残り、 慎重姿勢が続いている。 　商工中金は「一部の鋳物業者からは『大企業がより価格の安い中国から部品を調達する動きがある』との声も 聞かれ、大企業がコストを削減する動きは続いている。資源価格の上昇も販売価格にコストを転嫁しづらい中小企業が 先行き不透明感を強める一因になっている」（調査部）とみている。 　４月は全産業で43.9と低下を見込んでいる。09年度決算期を終えた直後のため反動により減少するという。〔ＮＱＮ〕